【観葉植物 全般】水やりのタイミングについて / 注意したい5つのポイントをざっくり解説

水やりの準備をしているところ

「水やり3年」とはよくいいますが、植物を育てる際、何より大切で、かつ難しいのは、水やりのタイミングかもしれません。

一見、ジョウロで水を与えるだけのシンプルなお世話にも思えるのですが、その頻度や量の加減について判断するとき、注意したいポイントはたくさんあります。

各植物の育て方について調べれば、”週に一度の水やり”などと具体的な指示がのっていることもありますが、実際のところでは、その通りに水やりをしていたのに枯らしてしまった……というような経験をされている方も多いのではないでしょうか。

かくいう私も、身近にいろんな植物を置いて育てるようになってから約4年になるのですが、依然として失敗することは多く、植物との付き合いが長くなればなるほど、水やりの難しさ・奥深さに気付かされます。

今回は、そんな私が現在、水やりのタイミングに悩んだ際に、判断材料として気を付けてみるようにしているポイントを、大きく5つに分けてご紹介いたします。

まだまだ未熟ながらも、この数年植物たちとの付き合いを通して、ここは注意しておきたいな、と感じるようになった点をなるべくわかりやすく説明していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

水やりに迷った際の判断ポイント

植物の種類ごとの貯水能力

その植物は元々、どのような地域に生育しているもので、どの程度の水分量を必要としているのか?――植物の種類ごとに、ある程度の判断をするということが、まずは大事になってくると思います。

例えば、サボテンであれば、肥大した茎の中に水分をしっかり蓄えておけるので、あまり頻繁な水やりは必要なく、与えすぎると根腐れしてしまう心配もあります。

逆に、ソフォラなどは、葉が薄く小ぶりで、自身の中にあまり水分を貯めておけないため、水切れに注意しながら育てる必要があります。

新しい植物をお迎えする際は、まずはその植物について調べて、どの程度の頻度で水やりをすることになりそうか(頻繁に必要であれば、ルーティン化できそうか?)、だいたいのイメージを掴んでおきたいですね。

生育期か、休眠期か

同じ種類の植物でも、水を多く必要とする時期もあれば、あまり必要としない時期もあるので、季節に応じて水やりの頻度を変化させるのも一つのポイントになってきます。

例えば、〈多肉植物〉と一口にいっても

  • 春秋型…春秋に生育期を迎えるので、春秋は比較的水やり多め・真夏と真冬は控えめに(多くの多肉植物はこれに当てはまります)
  • 夏型…夏に生育期を迎えるので、夏は水が切れたらたっぷり水やり・冬は断水気味に(例:パイナップルコーン)
  • 冬型…冬の生育期を迎えるので、冬は水が切れたらたっぷり水やり・夏は断水気味に(例:リトープス)

と3つの型に分かれ、それぞれ上記の通り、水やりのコツも異なります。

どの植物でも、生育期には水を必要とし、逆に休眠期には控えた方が良い、という点は共通していますので、自分が育てている植物はどの時期によく成長するのか?をまず知り、季節ごとに頻度や水の量を変化させることが必要です。

置き場所の環境(日当たりや、風通し)

その植物を置いている環境に注目するのも、水やりのタイミングを判断する上で、大切なポイントになってきます。

  • 屋外なのか? / 室内なのか?
  • 日当たりの良さはどうか?
  • 風通しの良さはどうか?

これらが、鉢内の土の乾きやすさ、ひいては水やりの頻度に大きく影響してきます。

基本的に、室内より屋外(日当たりも風通しも良い)の環境の方が、土は早く乾きやすく、水やりもまめに必要になると思っていただいてオッケーです。

屋外の場合

同じ屋外でも、例えば南東向きのベランダに比べて、北向きのベランダの方は日当たりは悪くなりやすいので、水やりのベストな間隔も少し長くなったり……といった違いは出てくるでしょう。

また風通しについては、ベランダを囲う壁の仕様がどうなっているか(すき間風が抜けていくような柵状になっているのか?そうでないのか?)というところによっても、意外と変わってきたりします。

室内の場合

室内に置いている場合であれば、日当たりの良い窓際なのか、窓から離れた場所なのか?というところをまず気にしたいですね。(日当たりの良い窓際の方が、土は早く乾きやすいです。

また、壁際にピッタリ付き気味の位置に置いていれば、周囲に空気の流れが生まれにくく、土も乾きにくいですが、よく人の通る動線の近くに置いておくと、じゃっかん土が乾きやすくなったり……といった違いも生まれてきます。

植物の周りに、自然と空気の動くような流れがあるか?というところをチェックしてみるのも一つのポイントです。

植物の生育、という点だけを考えれば、(植物の種類にもよりますが)日当たりも風通しもよい場所で、水をたくさんあげて育てるのが基本的には良いと思います。

ただ、お住いの環境によってはそれが難しかったり、また屋外より室内で身近に植物を置いて楽しみたい、という方もいらっしゃるでしょう。

日当たりや風通しのベストな場所に置けない場合は、水やりの量を心もち少な目に調整しながら、うまく植物と付き合っていくのも良いと個人的には思います。

鉢や土はどんなものを使っているか?(素材や、粒の大きさ)

これは意外と盲点かもしれないのですが、

使用している鉢や、土の違いによっても、ベストな水やりの頻度は変わってきます。

一つずつ見ていきましょう。

鉢の素材について

使用している鉢の素材によって、土の乾きやすさはかなり大きく違ってきます。

私はこれまで、素材別に大きく分けると「素焼き鉢」「陶器鉢」「プラスチック鉢」の3種類の鉢を使ってきたのですが、それぞれの鉢を使用してみての感覚は、以下の通りです。

  • 素焼き鉢……とても乾きやすい水やり頻度高め(小さなサイズのものをベランダにおいてたりすると、一日も持たず乾いたりする)
  • 陶器鉢……中間くらいの乾きやすさ水やり頻度中くらい
  • プラスチック鉢……乾きにくい水やり頻度低めただし鉢底穴などの形状などにもよる)

素焼き鉢は、通気性の良い素材で作られているため、土に含まれた水分が鉢を通しても蒸発し、乾きやすいです。

逆にプラスチックは通気性が悪いため、土の表面からしか水分が蒸発できず、一度しっかり水やりすると、なかなか乾かないです。

※ただし、鉢の側面にスリット状の切れ目が入ったタイプのプラスチック鉢は、そこから水分が蒸発するので比較的乾きやすいです。

【鉢の参考写真】

素焼き鉢

素焼き鉢
乾きやすく、水やり頻度高め

陶器鉢

陶器鉢
乾きやすさは、素焼き鉢とプラスチック鉢の中間くらい

プラスチック鉢

プラスチック鉢
乾きにくく、水やり頻度低め

土の粒の大きさについて

本来なら、用土の種類ごとの説明ができればいいのかもしれませんが、あまりに細かい話になりそうなので、今回はわかりやすくザックリ、粒の大きさのみに着目してみます。

  • 一粒一粒が細かい土→ 乾きにくい(水はけが悪い)/水やりの頻度が少なめ
  • 一粒一粒が粗く大きめな土 → 乾きやすい(水はけが良い)/水やりの頻度が高め

と、いたってシンプル。

だけどこれを覚えておけば、例えば、根腐れが心配な多肉植物を植え替える際に、”水やり後に乾くまでの時間が長くなりすぎないよう、粒が粗めの土を使おう”などといった、ちょっとした機転がきかせられるようになります。

植え替えってそう頻繁にするものではないので、できればなるべくその植物にあった土を選んであげたいものです。

【参考写真】

こちらは、私がメインで使っている土です。

ご覧の通り、比較的土の粒が粗めで、水はけのよいものになっています。多肉植物にも使いやすいです。

現在使用中の、観葉植物用の土

個体ごとの耐性(経験則も交えながら)

ここまで水やりのポイントについて、いろいろとお話してきました。

しかし、それでも極端な話、同じ種類の2つの植物を、同じ場所に置き、同じ鉢と土で育てているにも関わらず、片方は育ち、片方は枯れるということもあり得ます。

なぜそのようなことが起きるかというと、植物の種類ごとの特性とは別に、一つひとつの株ごとに、”どこまでの環境なら耐えられるか”という個体差も存在するからです。

具体的に考える点としては、例えば

  • その個体の成熟度(ある程度育った株なら耐えられる乾燥でも、まだ若い株には耐えられなかったり……)
  • その個体がそれまでにどのように育ってきたか(水控えめで育ってきた個体が、急にバシャバシャ大量の水を与えられると、ギャップの大きさで弱ってしまったり……)

といったところが挙げられるかと思います。

1年を通してご自身で育ててきた植物であれば、去年の記憶も参考にしながら、”この寒さになってきたら、水はこの程度に控えても問題ないな”等の判断がしやすくなってくるでしょう。

知識だけでなく、積み重ねてきた経験も総合しての、”直感”でうまく水やりができるようになれば、理想なのかなぁとも思ったります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

基本的な点もあれば、意外と盲点だったという点もあったかもしれませんね。

水やりは、”これが絶対の正解!”といいきれる唯一の基準というものがないので、私自身も難しく感じることが多いですが、この記事が少しでも、日々植物のお世話をするときの参考になれば幸いです。

それでは、

みなさまの植物との暮らしが、よりよいものになりますように……!

【追記】観葉植物全般のお世話の基本について、下の記事にまとめました。

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